等身大の毎日を当たり前に過ごす。

自由に自分らしく過ごしたい。単純な願いだけれども、なかなか実現しない願い。いろいろなしがらみ、束縛が邪魔をして、自分らしさがどんどん削られる。それでもわたしは自由に自分らしく過ごしたい。

わたしが自由に自分らしく過ごすためには、みんなが自由に自分らしく暮らしている社会が必要だと思う。どんな例外もない、みんなが自由に自分らしく暮らしている社会。

そんな社会を作っていくための仕事が、重度訪問介護の仕事だと思っている。どんな重度の障害や難病があっても、知恵や工夫や支援によって、誰でも自由に自分らしく生きていける。

施設や病院での生活しか選択肢がなかった重度障害者の地域生活が、重度訪問介護の確立によってなんとか形になり始めて、まだ数十年しか経っていない。まだまだ課題も山積みで、壮大な社会実験の真っ最中の業界だと思う。そう思いながら、今日も一人の利用者と向き合い、介助をする。介助中の一動作、一動作が、等身大の毎日を当たり前に過ごせる社会を作っていると信じている。

利用者も介助者もその人らしくのびのびと生活できるような会社、社会を作っていく。

小野史晴